
世界中で盛り上がりをみせるeスポーツ。日本でもテレビや新聞・SNSなどでも取り上げられることが多く、eスポーツという言葉は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
eスポーツの内容はよく分からないけど「シニアには関係ないもの」と思われている方も多くいるかもしれませんが、実はeスポーツは高齢者の方にもオススメしたいスポーツです。
申し遅れましたが、筆者は大阪市内に60歳以上の方を対象にしたeスポーツを体験できる施設『やろかeスポーツスタジオ天保山』を運営しています。(以後やろかと記載します)
やろかを運営するにあたり多くの方より「なぜeスポーツがシニアの方におすすめなのか」と聞かれます。
そこで今回はその理由についてお話しいたします。ぜひ参考にしてください。
eスポーツとは?

“eスポーツとは「Electronic Sports」(エレクトロニックスポーツ)の略称で、ゲームを用い、ルールのもとに対戦し、勝敗を競うものです。広い意味でいうと、パソコンやSwitchなどの電子機器を使っておこなう娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、ビデオゲームを使ったスポーツ競技のことを指します。
黒川文雄,『eスポーツの全てがわかる本』,株式会社日本実業出版社,2019,P11
eスポーツはゲームを用いて勝敗を競うものであるため、特定のゲームを指しているわけではありません。ですので「脳トレゲーム」や「パズルゲーム」といった比較的なじみの深いゲームでもルールを設定して勝敗を競いあうことでeスポーツとして成立します。
なぜeスポーツがシニアの方におすすめなのか?

では、なぜeスポーツがシニアにおすすめなのか。それはゲームをプレイすることにより、脳を刺激・活性化させることや社会的なつながりを維持でき、それらが認知症予防・フレイル予防につながるからです。
ゲームで脳を活性化とは
現在多くの企業や科学者により、ゲームをプレイすることによる脳への影響を調べた研究がおこなわれています。 例えば、株式会社セガは科学者である公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授協力のもと、ぷよぷよeスポーツを使用して「NIRS(ニルス)」という脳血流量の変化を調べた研究データを発表しています。
そのデータによるとぷよぷよeスポーツをプレイした後の方がNIRSの数値が高かったことから、ぷよぷよeスポーツで脳を活性化させることが可能であると発表されています。また、1人より2人以上でプレイした時の方がより高い効果が得られるとも付け加えられています。
ぷよぷよeスポーツ・その他のゲームも含め、大抵のゲームは画面を確認しつつキーボードやマウス、コントローラーを常に動かします。頭で次の展開を考えながら指先を常に動かすことは脳を刺激させ活性化させます。
脳を活性化させることは認知症予防に非常に重要であるため、定期的に一定時間ゲームプレイすることは認知症予防につながると言えます。
社会的なつながりを維持できる
高齢者の中には、ご家族と疎遠になっている方や外出機会の減少によりご自宅に引きこもる方が多くいます。社会とのつながりが減少すると「精神的」「社会的」に不健康な状態が続き、フレイルという自力での生活が困難な状態になってしまいます。
フレイルは対策を講じれば元の健康な状態に戻る可能性が高く、その一つの対策としてeスポーツが注目されています。その理由は、ゲームの種類によっては遠く離れた家族や友人と一緒に遊ぶことができるため、孤独を防ぐとともに社会的なつながりを維持・向上させることが可能だからです。
やろかを利用するメリット

当施設であるやろかを利用するメリットは2つ、一つ目は「事前準備が不要」なこと、二つ目は「操作方法のレクチャーがついている」こと、三つ目は「社会的なつながりをもてる」ことです。それぞれのメリットについて見ていきましょう。
1.事前準備が不要
高齢者にとってeスポーツに必要なパソコンやゲーム機器、またインターネット回線を全て自分で準備することは容易ではありません。
やろかではeスポーツを始めるために必要な機器を取りそろえていますのですぐに体験できます。eスポーツを体験した上で、ご自宅でもプレイした場合はお気軽にご相談ください。
操作方法のレクチャーがついている
やろかでは機器の使い方からゲームの進め方をレクチャーしています。ゲーム初心者の方やパソコンなどを一度も操作したことがない方も安心してご利用いただけます。
社会的な繋がりがもてる
ご来店いただくことでわれわれスタッフや他のご利用者様とコミュニケーションがとれるため、より社会的なつながりを維持・向上させることができます。
また、やろかでは利用時間終了後にリフレッシュしていただく時間を設けています。この時間を利用してより多くの方とコミュニケーションをとることが可能です。
ゲーム初心者の高齢者でも操作可能!?

eスポーツでは格闘ゲームやFPSといったジャンルが人気ですが、ゲームに慣れていない高齢者がいきなり参戦するには少々難易度が高いです。
まずはゲームに慣れていただくことが重要であるため、やろかでは気軽に楽しめるゲームを中心にはじめていただき、徐々に難易度を上げたジャンルのゲームに挑戦していただきます。
パソコンを使用したことがない方は、皆さん口をそろえて「私にはできない」「無理無理」と言われますが、プレイ終了後には「思ったりよりできるわ」「これなら孫と一緒にできる」と笑顔で話されます。
操作方法やゲームの進め方のレクチャーは一回きりではありませんので、分からなくなれば何回でも聞いてください。一緒に楽しみながら始めましょう。
シニアがeスポーツに取り組む際の注意点

注意すべき点はプレイ時間です。認知症やフレイル予防に効果が期待できるeスポーツですが、一日に何時間もプレイすることは止めましょう。一般的には一日1時間30分程度が推奨されています。
また気分がすぐれない場合やプレイ中に気分が悪くなった場合はすぐにプレイをやめて医師の方にご相談ください。
今回のまとめ
今回はeスポーツがシニアにおすすめな理由についてまとめました。eスポーツを定期的に活用して認知症予防・フレイル予防をおこなっていきましょう。
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